2018
11.09
その53 日本の温泉療法
医療が今ほど発達していなかった時代、日本では温泉療法が活用されていました。
温泉療法の歴史は長く、開湯伝説や神話などでも、特殊な効果のある温泉の開拓について伝えられています。
その後、仏教の伝来とともに医療に関する知識が流入すると、温泉はますます療養の場として重宝がられました。
温泉療法の記録として残っているものでは、鎌倉時代中期の武将・大友頼泰が、元寇の際に傷を負った武士を癒すため、温泉地に療養所を作ったものなどが挙げられます。
江戸時代になると医学的な応用はさらに進み、医師である後藤艮山(ごとうごんざん)は「治療は灸を施し、熊胆を服用させ、湯に入る」と奨励しました。
現在の日本でも、温泉に関わる資格が多数あり、泉質や入浴方法の研究が続けられています。
歴史とともに進化を続ける温泉療法は、今日も身近な療養法として私たち日本人の健康を支え続けているのです。
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