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2019 08.09
訪問看護に入浴を組み込む病院~『入浴福祉新聞 第23号』より~
 従事者向け

 

『入浴福祉新聞 第23号』(昭和63(1988)年4月26日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

訪問看護に入浴を組み込む病院

 

 

福祉と医療の統合化のなかで、医療機関が移動入浴車で訪問看護をするケースが目立ってきました。

 

現在、移動入浴車を持つ病院は、宮城県の大泉記念病院、埼玉県の狭山病院、富山県の西能病院、島根県の松江保健生協の病院など4機関。自費購入した大泉記念病院以外は、24時間テレビの寄贈車で、4院ともボランティアとして取り組んでいます。

 

これまでの入浴ボランティア団体も、代表が医師とか病院が拠点ではありましたが、あくまで市民グル―プによる運営です。しかし、この4機関の移動入浴は「病院の訪問看護」にはっきりと位置づけている点が異なります。

 

松江保健生協は、総合病院やリハビリテーション病院、診療所などをもち、4名の訪問看護専門職員と30人の市民ボランティアで入浴車を運営する方式。西能病院も、3名の訪問看護専門保健婦が入浴ケアを兼務していて、ヘルパーは使わず運転手と2名の保健婦で行います。対象者は両病院とも、退院患者や入院の必要ない在宅寝たきりの高齢者です。

また、大泉記念病院は蔵王の温泉をタンクにつめて看護婦が訪問。

狭山病院でも、入浴医療の視点で始めようとしています。

 

今年度から、在宅寝たきり患者の訪問診療料と看護指導料という医療報酬が新設されたのは御存知の通り。

現在、全国8500病院のうち訪問看護をしているのは約350ヵ所ですが、これによって実施機関が増え、さらに自前で入浴車を購入し「入浴付きの訪問看護」を医療業務として始める病院が出現するはずです。

 

病院の入浴事業なら、医師の責任と指示で行われるわけですし、従来の“入浴許可証”といったあいまいさも解消されます。すでに西能病院では、入浴車到着後の準備時間に医師の往診を組み込む計画を立てています。

 

民間の「入浴サービスカー」が来るのとは違って、「病院の訪問看護カー」になると、対象者や家族、そして近隣の人たちが抱くイメージもアップします。

「入浴看護もしてくれる病院」が、寝たきり患者の人気なるのも目に見えています。

 

これから民間による入浴ケアは、医療機関が再編成のカギをにぎってゆくのかも知れません。

 

 

 

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

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