2017
03.31
世間体の打破はまず自分から・・・~『入浴福祉新聞 第2号』より~
『入浴福祉新聞 第2号』(昭和57(1982)年12月15日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
福祉と入浴 世間体の打破はまず自分から・・・
「本人は入浴車の派遣を希望しているのに、家族が世間体を気にして申し込まない。困ったものだ。」
この話はどの地域でも聞かれます。今回はこの世間体を考えてみましょう。
お年寄り夫婦が腕を組み、手に手を取って歩く姿は、誰もが微笑ましく、うらやましく思うでしょう。
それならあなたもそうしますか?と質問すると、老人になったらどうも・・・恥ずかしい・・・世間体があるし・・・と答える人が大半です。
街中では平気で御夫婦や恋人と寄り添っている若い皆さんでさえ、家が近づくにつれて離れ離れになるはずです。
これも世間体を、はばかっているからです。
福祉をすすめる私たちが世間体を気にしているくせに、老人家族に対し「世間体なんかを気にして・・・」と批判するのは、それこそ自分のことはタナに上げる、というものです。寝たきり老人や障害者をかかえて、負い目を感じている家族はなおさら、隣近所にどう思われているかを大変に気にします。そうした二重、三重の心理的負担を取り除いてやるには、まず私たちが世間体という妙な壁をうち破らねばなりません。
自分でもできないのに、知ったような顔で他人を咎めるのはやめたいものです。
(興)
※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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