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2020 01.10
酢風呂と酒風呂の生理学~『入浴福祉新聞 第44号』より~
 従事者向け

 

『入浴福祉新聞 第44号』(平成5(1993)年7月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

酢風呂と酒風呂の生理学

 

皮膚は排泄器でもある。

毛穴が塞がれると、二酸化炭素の排泄がうまくいかず、毛細血管の血液が酸欠状態になってしまう。

この状態が長く続くと、皮膚表面の血管機能そのものが老化してゆく。

 

毛細血管を健全に保てば、血圧も高くならずに済み、血管障害も防げるのは、ご存知のとおり。

入浴とは、この血管をイキイキさせるための手段でもある。

 

さて、酢風呂・酒風呂の効用が昔から伝えられてきた。なぜだろう。

 

 

酢風呂がいい、というのは、遊離アミノ酸がカギを握っている。

酢風呂に入ったあと、お湯の中の遊離アミノ酸量は確実に減少するという。

浴湯に溶けていた遊離アミノ酸が、入浴した人の皮膚から体内に吸収された結果である。

この遊離アミノ酸は、乳酸を分解し、血液の酸性化を防ぎ、粘度を低める役目をしてくれる。

 

 

酒風呂がいい、というのは、浴湯のアルコール分が毛穴を塞いでいる脂分を溶融してくれるからである。

つまり、毛穴がきれいになって、皮膚から二酸化炭素の排泄が促進されることになり、血液を酸欠状態から救ってくれるわけである。

 

 

いずれも血流が好転するため、体の表面温度が上昇する。

保温効果が得られて、湯冷めがしないというのは、こうした理由からである。

 

酒風呂や酢風呂に使う酒や酢は、安価なもので十分。浴槽に5合を入れてかき混ぜるだけでいい。

ぜひ試してください。

 

 

ところで、血行が一番悪くなるのが心臓から最も遠く、低いところにある足。

そこで、足浴の効用をもっと見直したい。

デベロ老人福祉研究所の実験でも、足浴が全身の血行をも好転させることが判明している。

 

この足浴をするときにも、深めのバケツなら1合の日本酒や酢を入れると効果は抜群。

酢風呂の足浴では、抵抗力を高める白血球が入浴直後に約7%も増え、入浴後90分たったら約83%も増加したとのデータもあるほどだ。

 

 

寝たきりの高齢者の入浴では体調の悪いとき、全身浴を避けるわけだが、そのまま引き上げるのではなく、この足浴をしてさしあげることを考えたらどうだろう。

 

 

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

 

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