『入浴福祉新聞　第2号』(昭和57(1982)年12月15日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

『老人の笑顔に寒さを忘れて』

岩手県大船渡市社会福祉協議会　看護婦　遠藤 房子

昨日まで紅や黄色で山々を彩っていた木々は、もうすっかり葉を落とし、また冬がやってきました。

老人たちも、前回の入浴時には一枚だった下着が二枚になり、腹巻きが厚手のネルにかわり、電気毛布が布団の中を温めています。「寒くなったね」「カゼ、ひかないでね」という言葉があいさつになりました。

東北といっても、沿岸の大船渡市は雪も少なく、寒さもいく分やわらかです。

しかし、海からの風はやはり冷たく、働く私たちもつらい季節です。

でも、お風呂を指折り数えて楽しみにしている老人の笑顔は、私たちに寒さを忘れさせてくれます。

さあこれから、入浴福祉一年生の私にとって初めての冬の試練に挑戦です。

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

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