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浴説
2019 01.04
Voice 28
 従事者向け

介護の現場には様々な声があふれています。

介護に携わるスタッフの声、介護サービスを受けるご利用者の声、それを見守るご家族の声。

介護が必要になった方々に対して交わされる言葉の数々は優しく、切実です。

創られたものではなく、誰かが実際に発した「Voice」は人の胸を打つことがあります。

ここではそんな声の数々をご紹介していきます。

 

 

 

 

  その方から申し込みがあったのは、ある晴れた春の日。

  「ターミナルなんだけど、ご主人が『お風呂に入れてあげたい』って。」

  と、ケアマネさんからの電話。

 

  担当者会議に行くと、訪看の方も同席されていた。

  ベッドに横になっていたその方は、とても痩せていて、ターミナルであることは一瞬でわかった。

  私たちに気付くと、ゆっくり目を開けられ、ほほえまれた。

  訪看から、「私たちがまず入って体調の確認をするから、そのすぐ後に入ってくれる?」と。

  その言葉にうなづいた。

 

 

  そして初回の日。訪看からバトンを渡され、

  私たちは3人でその方の笑顔とご主人の笑顔の中で入浴が行えた。

 

  しかし、その3日後に・・・・・・・

  訪看から、

  「『あの時に入浴を受けてくれて本当にありがとう。とてもきれいになって見送ることができたよ。』

  と、ご主人が話していましたよ。本当にありがとう。」との電話が。

  

  私たちはもしかしたら死期を早めたのではないか・・・・・・そんな思いも一瞬よぎったが、訪看からの

  言葉を宝物にしようと、スタッフ全員でその方の冥福を祈り、涙した。

 

 

 

訪問入浴介護に関するエピソードなど、皆様の“Voice”をお寄せください。お待ちしております。

 

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執筆者:Voice配達人
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