日常から介護まで総合入浴情報サイト

お〜風〜呂.info

日常から介護まで
総合入浴情報サイト

BATHINGお風呂
2020 09.04
医療機関でも活用し始めている炭酸ガス浴~『入浴福祉新聞 第99号』より~

 

『入浴福祉新聞 第99号』(平成19(2007)年2月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

医療機関でも活用し始めている炭酸ガス浴

皮下血管拡張させ血流改善し末しょう循環障害や潰瘍の治療に効果

 

温泉に入ると病気が治った気がする…生き返ったような感じがする…といったリフレッシュ効果は誰もが認めることです。

そこで、温泉を健康回復や増進にもっと活用できる仕組みにしてゆこう、との声も高まっているのですが、残念ながら、どのような温泉が、どのような疾病治療に効果があり、治癒率も90%である、といった医学的な解明は研究費も研究者も少ないため、なかなか進展していないのが現状です。

しかし、さまざまな泉質があるなかで、炭酸ガスが豊富に溶け込んでいる炭酸泉の効果は世界的にも認められています。国内でも効果研究が続々と出されていて、積極的に利用する医療機関も増えています。

ヨーロッパでは古くから炭酸泉尾健康効果が知られてきました。なかでも温泉療法を近代医療に組み込んでいるドイツでは、炭酸泉が全土で湧出していることもあって治療に利用しています。

日本も世界に誇る温泉大国なのですが、皮肉なことに炭酸ガスは高温の湯には溶けにくいため、炭酸泉と呼べる源泉地はごくわずかしかありません。そこで大人気となってきたのが花王の『バブ』で、いまや永久不滅のような入浴剤として定着しました。

 

炭酸泉にはなぜ治癒効果があるのか?生理的メカニズムはいたって単純で、炭酸ガスがたっぷり溶け込んだお湯に入ると、皮膚表面に炭酸ガスの気泡が付着し、皮下そして毛細血管まで浸透し、血中の炭酸ガス濃度が上昇します。その結果、血管は拡張し、皮膚表面の血流も増加。全身の血流改善とともに保温効果も得られるのです。

顕著な効果を期待するには、お湯に溶け込んだ炭酸ガスの濃度を高める必要があり、『バブ』でも浴槽に3個5個と入れてしばらくジッとしていると、全身の皮膚が赤みを帯びてきて、温感の自覚症状もはっきりと現れるはずです。足浴をする場合でも、『バブ』を入れるだけでかなり爽快感がアップします。

とはいえ、末しょう循環障害などの治療に使用するためには、炭酸ガスの濃度が1000ppm以上でないと効果が期待できないため、花王に次いで〔炭酸ガス〕に取り組んだ三菱レイヨンエンジニアリングでは、人工炭酸泉製造装置の開発に成功しています。

この装置を浴室に設置した高齢者施設もかなりあるようですが、やはり入浴後ホカホカして熟睡できる、と評判はいいようです。医療機関でも、人工炭酸泉装置を利用して、閉そく性動脈硬化症による末しょう循環障害が原因の四肢の冷え性…しびれ感…腰痛などの治療を行っているのをはじめ、褥瘡など皮膚の潰瘍治療などでも実績を上げているところが少なくありません。

同社ではすでに、この炭酸泉製造装置の家庭用も売り出していて、まだ効果ですが、愛用している自宅療養者もかなりいるとの話です。家庭用装置の改善と改良が進めば、もっと安価で購入できる時代が来るに違いありません。

 

 

※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

 

日常から介護まで 総合入浴情報サイト お風呂インフォ

いいね!
ツイート

    お名前
    メールアドレス