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2019 11.15
栄養豊富で清浄な地球最後の?水 海洋深層水~『入浴福祉新聞 第73号』より~

 

『入浴福祉新聞 第73号』(平成12(2000)年10月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

栄養豊富で清浄な地球最後の?水 海洋深層水

いよいよブームに着火か

皮膚疾患治療など医学面での期待も

 

〔お風呂や温泉へのこだわり〕は〔良質な水へのこだわり〕と言い換えてもいい、と語った温泉学者がいます。

六甲や南アルプスなどの山脈がはぐくんだ名水を好んで飲む人が多いのも、私たちのカラダの大部分が水だからに違いありません。

 

環境汚染が改善されるどころか、いっそうの深刻化が伝えられ、水がますますマズクなった昨今、「今年あたり爆発的なブームになる」とも予測されているのが、〔海洋深層水〕です。

すでに、〔海洋深層水〕のドリンクや化粧水をはじめ、〔海洋深層水〕で製造した日本酒に味噌・醤油、ラーメンやお菓子、豆腐、パン、干物、などなどが次々と大ヒットを飛ばし、ブームに火が付いたような勢いです。

 

この〔海洋深層水〕とは、グリーンランド沖が水源。

氷山付近の海水は、しだいに塩分が濃くなり、その重さで深海に沈んでゆく現象からきています。

ここから大西洋~南極海~インド洋の深海をめぐり、北太平洋で浮上。

インドネシア海域~インド洋~大西洋へと、気のとおくなるような歳月をかけて地球の水を流れ続ける〔循環海水〕のことです。

 

資源としてのこの水が注目されたのは、かなり昔で、〔海洋深層水の低温〕を利用した温度差発電でした。

 

しかし1970年以降、太陽光線が届かず、光合成が行われないため、植物プランクトンが栄養を消費しないので、マグネシウムなどミネラルを中心とする栄養分がバランスよく豊富に溶け込んでいる・・・水圧の関係で成分も安定していて、水としての〔熟成度〕が抜群・・・病原菌は驚くほど極端に少ない・・・といった〔栄養豊富な清浄水〕という〔水質〕が着目されることになったのです。

 

 

日本では1985年から科学技術庁が中心になって、〔海洋深層水〕の研究がスタート。

同庁からモデル海域の指定を受けた高知県室戸岬には、1989年に高知県海洋深層水研究所が設立され、本格化しました。

 

これまでの研究では、日本近海の深度3000メートル以深に〔深層水〕の太い流れがあるようですが、日本海溝のおかげで上昇し、岸から5キロ以内で水深200~300メートルの海域に〔深層水〕の取水に適する場所があり、〔適地〕は全国では1都1道14県の30カ所ぐらいにのぼるそうです。

すでに〔取水先進県〕となった高知県のほか、富山・沖縄・静岡の各県と北海道などでも取水施設が設置され、高知県では行政の重点事項にもしたため、すでに、飲料品や食品などの〔深層海洋水製品〕が高知名産にまで成長したほどです。

 

この〔深層水〕を医療の観点から注目する研究者も多く、細胞の活性化・・・免疫機能の強化・・・皮膚への浸透力・・・などの理由で、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の治療にかなり有効とか、高血圧症や骨粗しょう症の予防、便秘の解消にも役立つ、といった報告もされるようになりました。

 

 

さて、こうなると日本人は、〔海洋深層水で全身浴〕がしたくなります。

この面では、さっそく富山県滑川市が第3セクターの海洋療法施設『タラソピア』を建設。

〔海洋深層水〕のプール浴を続けることによる血圧や脈拍の変化、精神的な変化、皮膚への効果、などを同県内の医師らが研究に着手したそうです。

 

また、静岡県熱海市の初島にも、深層水を売り物にした民間企業の海洋療法施設『マリン&タラソリゾート~エクシブ初島』も今年の6月に開所されました。

近い将来、「海洋深層水で寝たきり高齢者の入浴介護をしたら、驚くべき効果が得られた」といったニュースが伝わるかもしれません。

 

※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

 

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