『入浴福祉新聞　第94号』(平成17(2005)年12月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

前照灯

年間3万人以上の〔ニッポン自殺大国〕にストップをかけようと、関係省庁の連絡会議を設けたり、厚生労働省に対策センターも新設するという。

自殺者の多くが鬱状態にあるのだが、鬱と睡眠障害の因果関係が注目されるようになってきた。

自殺未遂者を調査したところ、7割が睡眠不足で、寝付きも悪くて5時間程度しか寝ていないのだ。この睡眠不足はほとんど国民病になりつつあり、働く男女の8割が睡眠トラブルを感じているとの調査もあるほどだ。

睡眠トラブルが鬱を誘発する、との研究もあるため、考えると末恐ろしい。

現代ニッポンは刺激過多社会で、24時間365日緊張を強いられる生活をしているために眠れないし、エネルギーが切れて鬱になりやすい。

睡眠障害や鬱傾向を克服する〔秘術〕は、やはり微温浴や低温サウナや温泉療法だと思う。

ところが、高尚な内容を編集している精神医学系雑誌の版元何社かに問い合わせたところ、〔入浴と心〕といった特集など組んだことがないようなのだ。

「たかが温浴」と無視する〔精神専門家〕の怠慢が、自殺者を増やし、睡眠障害と鬱病の大国にしてゆくのではないだろうか。

〔露〕

※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

日常から介護まで 総合入浴情報サイト お風呂インフォ