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2018 05.18
入浴の歴史ものがたり④~『入浴福祉新聞 第28号』より~

 

入浴福祉新聞 第28号』(平成元(1989)年9月26日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

入浴の歴史ものがたり④

立井 宗興

 

 

病者を寺院の浴堂で介護する「施設運動」で、最も有名な伝説が、奈良時代の女帝光明皇后の立願風呂だ。

 

光明皇后は、大和に施薬院や悲田院を建てるなど、仏教福祉に身をつくした指導者で、「施浴の功徳」の教えにならい、一千人の病者の身体を浄める誓いを立て、法華寺の浴堂で施浴を始めたのである。

 

だが、一千人目は総身血膿にただれ、凄まじいほどの悪臭を放すライ病患者だった。「この方も浄めねば誓いにそむくことになる」と皇后は、ライ病患者のウミまでも吸い出し洗い続けると、浴室には紫雲がたなびき、その患者は金色の仏様になり、天に昇っていったと伝えられている。

 

こうした光明皇后による仏教福祉の実践は、その後の名僧、高僧にも影響を与え、行基や弘法大師らも社会事業として温泉を開発し、温泉寺などを建立していった。有馬温泉で行基が洗い浄めた病人は、薬師如来の化身であった、との伝承も残っている。

 

奈良時代に起きた「施浴」は、中世の鎌倉時代にはいっそう活発となっていった。

 

 

 

 

※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

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