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2020 08.07
まだまだ浴室は危険がいっぱい 寒くてもガマンが約71%~『入浴福祉新聞 第97号』より~

 

『入浴福祉新聞 第97号』(平成18(2006)年9月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

まだまだ浴室は危険がいっぱい

寒くてもガマンが約71%

 

家庭の浴室で、循環機能の低下した高齢者が死亡する危険が指摘されてきました。

とくに冬季は、暖房をしている室内から寒い脱衣所や浴室に裸で入ることによって、血圧が急上昇。浴槽内では、末梢血管が温められて血圧は降下し、おまけに高温入浴をすれば、血液中の水分が失われて血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を起こしてしまう〔ヒートショック〕という生理的なメカニズムがはっきりしてきたからです。

高齢者が冬季の浴室に入る時には温めておくこと。これが鉄則なのですが、では実際に浴室暖房は普及しているのでしょうか?

書類綴じ器で有名なマックス株式会社は、住環境機器の分野でも成長中ですが、同社が昨年3月から4月にかけてインターネットのホームページを利用して浴室暖房に関するアンケート調査をしたところ、恐ろしい結果が出てしまいました。

4000件弱の有効回答を集計したら、冬季の浴室温度が15℃~19℃は約28%、10℃~14℃が約23%で、10℃以下も約13%、といった実態で、64%の家庭が20℃以下の浴室で入浴をしているのです。

居間の室温設定は、約54%が20℃~24℃、約26%が25℃~29℃ですから、当然、「寒い」と感じている人が圧倒的で約91%にのぼります。

しかし、「寒いけど我慢」が約71%、何らかの対策をとっている家庭は約29%というお寒い現状が判明しました。

〔何らかの対策〕をしている約29%の家庭に訊ねたところ、約40%が「浴槽のフタを開けておく」、約34%が「ストーブなどで温める」、そして約19%が「シャワーを出しっぱなしにする」でした。

浴槽のフタを開けておくだけでは浴室の温度を上げる効果は少なく、ストーブで温めてから入るというのは火災の心配もあります。

手っとり早く安全なのは「シャワーを出しっぱなしにする」ですが、〔モッタイナイ〕と感じてしまう人はなかなかできません。

最近の新築住宅やマンションでは、換気と乾燥機能付きの浴室暖房システムを組み込むケースが多くなってきたようです。

とはいえ、既設の住宅への浴室暖房普及率はまだまだ。訪問入浴介護で行かれる家庭の皆さま方に、浴室の寒さは大敵である旨を、ぜひお教えください。

 

 

※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

 

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