2019
04.26
その64 三助の真心
古くから日本人は清らかな肉体にこそ清らかな精神が宿ると信じて、念入りにからだを洗い、身を清めてきました。
そして日本の銭湯にはこの身を清める技術に特化した職人がいました。それが「三助(さんすけ)」です。
三助は番台の他に①釜焚き②背中流し③風呂掃除と三役をこなすことからこう呼ばれるようになりました。
その歴史は古く、江戸時代の浮世絵にも三助の姿が描かれています。
銭湯の閉鎖に伴い、三助は減り続け、2013年、遂に最後の三助が引退となりました。
三助のからだ洗いの技術は、古くから受け継がれるまさしく匠の業だったと言われています。
「お背中をお流しします」
これは三助が言っていた言葉です。
現在でも、尊敬や親しみの念を込めて、相手の背中を流すという習慣が残っています。
既に見ることができなくなってしまった匠・三助。
ですがその真心は今も私たちの中で生き続けています。
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