2018
09.14
その49 武士と町人の入浴
江戸時代初期、新しい街づくりのため全国から建設業の方々が上京しました。
お風呂は、建設現場で働いた汗を流し、疲れを取るためにも欠かせない存在で、その時期に湯屋と呼ばれる現在の銭湯が急速に普及したと言われています。
朝晩2回は入浴するという風呂好きも珍しくなく、湯屋はいつも賑わっていました。
朝風呂は、主に町人たちの社交場としても活用され、利用される方のほとんどは男性だったと言われています。
江戸時代の女性は、朝から多忙で朝風呂に入る時間はありませんでした。
しかし、湯屋は、朝でも女湯の準備をしました。この朝に準備された女湯には武士が入浴したと言われています。
それは、建築関係の仕事で鍛え抜かれた町民と比較して、武士のひ弱な裸体が目立って笑いものにされることを恐れたからです。
武士のために、朝の女湯には刀掛けまで用意されていたと言います。
見栄と虚勢を張って女湯で朝風呂をする武士。
のびのびと入浴を楽しむ町人。
入浴を通じて当時の社会を見る事が出来る面白いエピソードです。
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