『入浴福祉新聞 第86号』(平成16(2004)年1月15日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
[温浴の世界]は依然と賑わい続き
著名人の事故や海洋深層水銭湯、入浴水着に温泉水飲料 などなど
今年の6月、歌手の西城秀樹さんがサウナ浴で脳梗塞を起こして話題になりました。彼も48歳。舞台で[中年の醜態]を見せたくないためか、食事制限やサウナ浴に励んでいたようですが、[発汗と血液濃縮の恐ろしさ]は知らなかったらしく、脱水症状で血栓が形成されてダウンしたようです。
西城さんはリハビリで復帰できたのが幸いですが、TVドラマ『プレイガール』で人気となった後、参議院議員をされていた沢たまきさんは、8月に浴室で倒れて帰らぬ人となってしまいました。
あらためて[間違いだらけの温浴]の恐怖を知らされる一方、神奈川県横浜市にオープンした全国でも初めての〔海洋深層水を使ったスーパー銭湯〕がこの夏にオープン。初日で2000人以上が押すな押すなと詰めかける大賑わいとなりました。
しかも、私鉄の事業開発部門が手掛けたこの銭湯『みうら湯明寺店』の総支配人は、厚生労働省管轄の財団法人日本健康開発財団が普及に努めている「温泉利用指導者」の資格者。豊富なミネラルが含まれ肌に優しい海洋深層水を売り物にするだけでなく、「正しい入浴方法を来場者にしっかりと助言できる」ことも方針にしていて、このお店が刺激となって〔スーパー銭湯業界の進化〕も期待されています。
スーパー銭湯やお風呂のテーマパークなどの新しい入浴施設では、水着を着用する混浴も珍しくありません。
これに着目した繊維企業や水着メーカーが、乾きやすい素材を利用し、入浴に見合ったデザインの〔入浴専用水着〕を開発することになったそうです。
さらにアレッと思わせる商品が、入浴剤でも有名な企業が売り出した『天城の温泉水』でしょう。伊豆の天城三渓から湧出した温泉水をペットボトルに詰めて売り出したのです。ミネラルウォーターの一種ですが、そのミネラルを体内に吸収させる働きをするメタケイ酸をたっぷり含んでいるのが特徴とか。
最近の日本の温浴事情は、高温入浴による事故やレジオネラ感染症ばかりが話題になっていますが、こうした入浴や温泉の新しい動きが、いい方向に進むことを願っています。
※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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