『入浴福祉新聞 第42号』(平成5(1993)年1月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
公衆浴場のマナー守ってね!
国際化時代で8カ国語のポスターお目見え
「Do not take a bath with your underwear on」
(パンツをはいたまま入浴しないでください)――。
海外から日本にやって来る労働者が急増し、各地の公衆浴場では、外国人利用者が目立つようになってきた。
しかし、生活文化や入浴習慣の相違から、トラブルも続発しているという。
パンツをはいて浴槽に入ったり、浴槽のなかで石鹸を使ったり、はたまた、泡を飛ばしながらシャンプーをしたり、ドッサリと洗濯ものを持ち込む外国人もいて、日本人客がツメターイ視線を投げかけたり、番台に苦情を寄せるようになったのだ。
挙げ句には、「外国人の入浴お断り」の貼り紙を出す浴場も登場して、〔国際化時代の公衆浴場の在り方〕が問われ始めてきた。
そこで、国際摩擦を避け、裸の親善の場にできれば、と全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会(略称=全浴連)と日本国際通信が、8カ国語で入浴マナーを記したイラスト入りのカラーポスターを昨年の夏に1万5千部製作。
全国の公衆浴場に掲示してもらうことになった。このポスターの完成を伝え聞いた旅館や行政からも、「わけてほしい」との問い合わせがひっきりなしで、大反響とか。
ポスターは、日本語、英語、朝鮮語、タガログ語(フィリピン)、中国語、ペルシャ語(イラン)、ポルトガル語(ブラジル)、ウルドー語(パキスタン)の8カ国語で、
「湯船へタオルは持ち込まない」
「パンツをはいたまま入浴しない」
「お湯や水を無駄に使わない」
「汚れた身体のまま湯船に入らない」
「洗濯はしない」
「濡れた身体で脱衣場へ出入りしない」
といった入浴の基本マナーを列記しているが、このおかげでトラブルはいま、ほとんどなくなったそうである。
日本の公衆浴場は、マナーを学ぶ教室もいわれてきたが、このポスターは最近の子供たちにも効用がありそうだ。
※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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