『入浴福祉新聞 第76号』(平成13(2001)年7月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
入浴でヌルヌル感覚を思う存分に楽しめる
[あんかけトロミ系入浴剤]が人気とか
常用する家庭が約55%!年間の総売り上げ約400億円!といわれる入浴剤が、21世紀に入って〔高度化〕する気配があるようです。
日本の入浴剤の歴史は1930年にツムラが発売した『バスクリン』が黎明で、1960年代後半から急激に売り上げを伸ばしてきました。『バスクリン』を色と香り系とすれば、1983年に花王が発売して爆発的な人気を得た『バブ』は泡系とでもいいましょうか。
この2世代に続いて登場して脚光を浴びるようになったのが、カネボウの『旅の宿』です。有名な温泉の地名を商品名に採用したのが特徴で、これは温泉系といえます。
さて、21世紀が開幕して、入浴剤ファンを歓喜させたのがトロミ系でした。大阪のヴァンベルという企業が発売した『あんかけ湯』がたいへんな支持を集めているそうです。
水分を吸収するとトロミ状態となり、浴湯がヌルヌルする高分子を配合した入浴剤で、この新商品を契機に、ゼリー湯や乳液風呂を楽しめる入浴剤などが次々とお目見えしているのです。
もともと入浴剤には、〔生命を誕生させ維持するための根源的な環境〕である〔ヌルヌル感覚〕を徹底させよう、というわけです。
みんながトロミ系入浴剤を使用するとなると、排水パイプの詰まりや下水処理などが少々心配になってきますが、全般的に最近の入浴剤は、保湿…白い肌…肌の引き締め…脂肪の排出…老廃物の除去…といった美容と健康のキーワードをもとに、いろいろな〔薬剤〕を配合する傾向になっているようです。
なかには、水道水の塩素中和剤や、水に触れるとマイナスイオンが発生する鉱石の粉末などを加えた製品もあるとか。
入浴剤は、日本人のお風呂好きを象徴するだけに、これからどんな入浴剤が開発されるのか楽しみです。
※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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