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2021 01.22
依然と危ない自宅浴室での入浴~『入浴福祉新聞 第111号』より~

 

『入浴福祉新聞 第111号』(平成22(2010)年1月7日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

飲酒高齢者の飲酒後入浴41% 冬季のあつ湯好みが32%も

依然と危ない自宅浴室での入浴

  

 

「日本の高齢者の浴室での溺死率は、他国に比べて高いといわれている。加齢による身体機能の低下に加え、深い浴槽に肩まで入る入浴法や高温浴を好む入浴習慣が一因と考えられる。高齢者が安全に快適に生活するうえで、入浴中の事故は注目すべき問題である」

こんな前置きをしたレポート「入浴習慣からみた在宅高齢者の事故要因の検討」が、日本看護協会『第39回日本看護学会論文集~老年看護』(2008年)に発表されています。

近年、交通事故死と並ぶ悲劇として高齢者の浴室事故が注目され、医療関係者による〔入浴事故防止〕の啓発が活発に行われるようになりました。

このレポートは、福岡女学院看護大学の吉武美佐子さんと窪田恵子さんが、自宅で自立生活をしている高齢者195名の入浴習慣を調査したもので、まだまだ〔危険な入浴〕をしている高齢者が多いことを浮き彫りにしてくれました。

調査に協力した高齢者は、男性が40%、女性が60%で、平均75歳。何らかの既往歴をもつ方は80%もいて、内訳は、高血圧26%、消化器疾患23%、心臓血管疾患17%が目立ち、現在でも通院している方は72%で、高血圧22%、消化器疾患135、心臓血管疾患12%、といった状況でした。

全員が自宅浴室での自立入浴が可能で、夏季は「毎日入浴する」が90%、「一日おき」が8%、冬季でも「毎日入浴する」が73%、「一日おき」が21%でした。つまり、ほとんどの〔在宅自立高齢者〕がお風呂好きで、オールシーズンほぼ毎日のように入浴をしていることになります。

しかも、「浴槽に浸かる」は、夏季でも87%、冬季は99%でした。浴室にいる平均入浴時間は、夏季が18分、冬季が21分。浴槽に浸かる時間は平均すると、夏季が7分、冬季が9分でした。

問題は湯温です。感覚的に答えてもらったところ、夏季は熱めが11%でしたが、冬季は熱めが32%もいたのです。高齢者は温度感覚が低下するため、実際には熱めの入浴をしている方がもっと多いと推測される、とこのレポートは指摘しています。

また、〔飲酒入浴〕という危険な実態も明らかにされました。調査協力者の59%が飲酒の習慣があり、「飲酒後は入浴しない」が25%でしたが、「飲酒後もふだんどおり入浴する」が41%、「酔いが覚めてから入浴する」が32%、といった実態だったのです。

飲酒は血管を拡張して血圧を低下させますが、それに加えて入浴で血管を拡張させてしまいますと、危険な低血圧状態になるため絶対に避けなければなりません。

さらに、この調査では、「浴室や脱衣室の室温に注意している」とした方は、26%、「長湯を避けるなど、のぼせないよう注意している」方も36%で、全体として入浴事故に対する認識の低い高齢者が多い、とレポートは警告しています。

自宅の浴室を利用できる自立高齢者は、何らかの疾病があっても「自分はまだ元気だ」との自信があるため、かえってそれが入浴事故を引き起こします。

自宅の浴槽入浴でも、38℃程度の微温湯で、短時間の半身浴に徹し、大好きなお風呂で事故を起こさないよう、入浴介護の関係者も呼びかけたいものです。

 

 

※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

 

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