『入浴福祉新聞 第87号』(平成16(2004)年2月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
不眠症を治すには入浴とトウガラシ
何かとストレスの多いアメリカ人の睡眠障害は、国民病ともいわれているが、先行きが不安だらけになってきた日本でも、最近は寝つきの悪い人が増えてきたという。3人に1人いや2人に1人は不眠症との説もあるくらいだ。
しかし、眠れないからといって睡眠薬やアルコールに頼るのはもちろんよくない。〔副作用〕もなく、最も効果的なのはやはり入浴だ。
私たちのカラダは、睡眠に入る際に体熱が放出されて体温が下がることが判っている。この生理的なメカニズムを応用するのが一番。入浴では体温を少し上げてから就寝すればいいわけだ。
足利工業大学の小林敏孝教授が、5名の男子学生で実験をしたところ、就寝3時間前に38℃の微温浴にゆっくり入浴すると、体温が0.5℃から1℃上昇し、その後は急激に体温が低下。寝付くまでの時間が短縮されたそうである。しかも、熟睡時間も多くなったという。
しかし、〔38℃の微温浴を30分〕は、健康な人でも少し入浴時間が長すぎる気がする。そこで妙案。
この小林教授は、トウガラシに含まれているカプサイシンに誘眠作用があることに着目。就寝3時間前にトウガラシ入り食品を摂取すると、カプサイシンの発汗作用で体温が低下して寝つきが良くなり、目覚めも改善されることも確かめている。
つまり、就寝3時間前の〔ゆっくり微温浴〕と〔キムチなどのトウガラシ食品〕が睡眠障害克服の決め手となるわけである。不眠症の方はぜひお試しを。
※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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