2017
08.18
その24 瀬戸内の石風呂
瀬戸内海の沿岸や島々には、「石風呂(いわぶろ)」と呼ばれるお風呂が点在しています。
その名の通り、パン焼き釜のような洞の中で汗を流す、いわば日本流のサウナです。
瀬戸内地方は火山活動が活発でない為、温泉もあまり多くありません。
そんな瀬戸内で、汗を流せる場所として石風呂は古くから愛されてきました。
石を積んでつくった洞もあれば、自然の洞窟をそのまま利用したところもあります。
穴の中で雑木を焚き、そこに海藻を加えます。
温まったら灰をならして、その上に塩水を含ませたむしろを敷いて、戸を閉め寝ころぶのです。
海藻からでる水蒸気には塩分やヨウ素などが含まれ、眼病や頭痛にも効果があると言われます。
現在では、材料の確保が困難なことや大変手間のかかる重労働の為、減少傾向にあります。
しかし、地域団体が中心となって、石風呂に年に数回火を入れたり、島内に残る石風呂めぐりを楽しみながら、島の文化や伝統に触れるという活動も広がっています。
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