
2017
02.03
その11 タイル絵
東京の銭湯では、浴室や入口の正面に絵付けをしたタイル絵が貼られていることが少なくありません。絵柄には縁起物が多く、「お客さん来い」につながる鯉のほか、縁起が良いとされる富士山や宝船の絵が多く見られます。
絵付けタイルの多くには、「鈴栄堂(りんえいどう)」の名が入っています。
鈴栄堂とは金沢の絵付けタイルの会社で、昭和5年頃に九谷焼の絵付けタイルを始め、社長自ら見本帳をもって全国の銭湯へ営業したと言われています。
東京では折しも、宮造り銭湯の建設ラッシュの時期にあたり、九谷焼の高級感ある美しいタイルは、豪華な極楽空間をつくるうってつけの逸品でした。
現在みられるタイル絵は昭和30年代までに作られたものであり、タイル絵の隅には「春山」、「陶山」などの絵師の画銘が記されていることも多いのです。
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