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2020 12.11
「家庭内浴槽での溺死」に地域差~『入浴福祉新聞 第109号』より~

 

『入浴福祉新聞 第109号』(平成21(2009)年7月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

「家庭内浴槽での溺死」に地域差

目立つのは北陸・・・信越・・・東北日本海側

入浴介護は安全入浴の啓蒙を!

 

本紙『入浴福祉新聞』では再三、近年頻発するようになった高齢者の家庭内浴室における入浴死亡事故に言及してきました。

日本人が大好きな入浴で死亡する原因の多くは、42℃のような高温のお湯に長時間、それも首までドップリと入る入浴方法といわれますが、筆者の周辺でも時折、浴室で死亡した話が飛び込んできて、まだまだ危険な入浴をしている高齢者が少なくないことを痛感します。

各地で入浴介護に従事されている方々は率先して、微温のお湯に、せいぜい乳首ぐらいまで入り、短時間で済ませる、といった安全な入浴方法を普及し続けてほしいものです。

さて、入浴事故死に関する最新の研究成果が『厚生の指標』2009年2月号に、「浴槽での不慮の溺死・溺水の記述疫学」と題して発表されていますので紹介します。

この発表をされたのは、福井県衛生環境研究センターの松井利夫総括研究員と富山大学大学院保健医学線香の鏡森定信教授のお二人で、昭和55年から平成17年までの実に26年間の『人口動態集計』を精査してまとめた大研究です。

それによりますと、「不慮の溺死者」は、昭和50年代から平成の初期には年間3000人台だったのですが、平成7年から突如として年間6000人弱になるなど急激に増加し、平成17年にはついに6222人を記録してしまいました。

平成12年から平成17年までの平均では、不慮の溺死が年間5840人に達し、その6割が「浴槽での溺死」だそうです。

さらに、「不慮の溺死者」の75%を高齢者が占め、「家庭内の浴槽での高齢者の溺死」が90%近くを占めているのが大きな特徴です。

公衆浴場や温泉施設など入浴サービス施設内の浴槽での溺死も少なくないものの、不慮の溺死全体の7%程度となっています。それでも、「入浴サービス施設にある浴槽での溺死者」の80%近くが高齢者です。

不慮の溺死者の実数は、死因判定や死亡診断書の記載などの不統一があり、実際には『人口動態統計』の数倍と考えられ、年間14000人程度と推定されますので、年間およそ10000人の高齢者が家庭内の浴室で死亡している、としていいでしょう。

注目すべきは、「浴槽での溺死者」が都道府県によってかなり差があり、北陸や信越地方と東北地方の日本海側の県の発生率が顕著な点です。

この地域差はおそらく、気象条件や家屋の構造、それに入浴習慣などが関連しているのでは、と研究したお2人は推定しています。参考までに、平成11年から平成17年の7年間で「人口10万人あたりの浴槽での溺死者」が際立っている県を列記しておきます。

【溺死率が高い県】

▶秋田=女5.3▶山形=男4.0/女4.0▶新潟=男4.3/女4.9▶富山=男5.8/女5.2▶福井=男4.7/女4.9▶長野=女4.2▶和歌山=女4.9▶福岡=男5.1/女5.5

浴槽での溺死は、高温入浴を好む日本人独特の悲劇ともいわれますが、入浴習慣を是正することで防ぐことができるはずです。

入浴介護関係者はぜひ、地域住民に粘り強い啓蒙活動を続けてほしいと考えます。

 

 

※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

 

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