2021
07.30
高齢者の肺炎は脳病~『入浴福祉新聞 第77号』より~
従事者向け
『入浴福祉新聞 第77号』(平成13(2001)年10月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
高齢者の肺炎は脳病 口腔反射の低下防げ
高齢者の死亡原因で依然と多いのが肺炎。歳をとると嚥下機能も低下するため、食事中に咳き込んだりして、口腔内の雑菌が肺に入りやすくなるため、日常的な口腔ケアや、胃液が逆流しないよう食後には身体を起こしている生活指導、などが強く叫ばれるようになってきた。
この肺炎に関して、興味深い臨床試験結果を東北大学医学部の佐々木英忠教授が発表して注目されている。それは、〔肺炎は脳の病気〕という観点から見直そうというものである。
佐々木教授は〔高齢者の口腔反射の低下〕に着目。咳などの反射を高めるサブスタンスPという神経伝達物質を増やすクスリを高齢者に投与し続けたら、肺炎の発生が3分の1に減少したという。
また、脳の神経伝達物質ドーパミンを上げる作用のある薬剤や、トウガラシの辛味成分カプサイシンなどにも、口腔反射を改善に役立ち、誤嚥を減らし、肺炎を防ぐ効果があるそうだ。
やはり〔人間は脳の生き物〕ということになりそうで、寝てばかりいれば脳の機能は低下する。肺炎の根本的な原因も、〔寝かせきり介護〕にあるのだろう。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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