2023
04.07
前照灯～『入浴福祉新聞 第95号』より～
『入浴福祉新聞 第95号』(平成18(2006)年2月20日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
前照灯
介護予防のメニューに栄養指導が加わったこともあり、最近〔高齢者と食〕が突如クローズアップされてきた。
日本入浴福祉研究会代表理事の柴田博桜美林大学教授は、かなり以前、東京都老人総合研究所時代に、小金井市の高齢者の健康調査を行い〔食生活がしっかりしている高齢者ほど、健康で長生きしている〕といった鮮明な事実を突き止めている。
老年学では国内最高峰の先駆的研究成果が、ようやく脚光を浴びることになったわけだが、それはともかく、最近は〔介護食〕なる言葉も生まれ、巷の料理研究家や調理師も〔高齢者の食事〕に関心を寄せるようになった。
義歯であっても清潔な口でモグモグと食べること、すなわち〔健口〕が認知症を予防する秘訣でもある、と強調されるようになり、食前に「お口の体操」をする施設も増えているという。
加えて、料理をすると前頭部の血流が良くなり、脳全体の働きも向上する、といった科学的な研究発表も出始めていて、認知症の予防に料理も勧める識者が増えている。料理は、計画性と判断力を刺激してくれる。
日本のオトコは料理不能者ばかり、という汚名を返上してゆこう。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
