2024
10.04
前照灯~『入浴福祉新聞 第110号』より~
従事者向け
『入浴福祉新聞 第110号』(平成21(2009)年10月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
前照灯
保健・医療・介護といった国民の健康を守る義務のなかで、突出して巨大化した医療分野の大改革が叫ばれて久しい。
課題は山積しているが、やはり欧米に比べて医師数が、相対的に少ない点がマイナス要因だろう。医師、とくに総合医と呼べる専門職を増やすと同時に、何でも医師の裁量を頼りにする現状の仕組みも変える必要がありそうだ。
外国では、看護師や他の医療関係資格者の責任分野は、日本よりかなり広く認められていると聞く。
日本でも医師がもっと権限移譲をすれば、医師の疲労困憊も減るはずだ。
そうした点を視野に入れて、看護師や理学療法士の団体等が、医師の権限に縛られない独立開業権を国に認めさせてゆく運動を始めた。
ご承知のように、訪問看護は医師の指示が条件になっているし、リハビリ専門職も医師のコントロール下で業務を行うことが決められていて、医療保険や介護保険の独立事業所を開設し、独自サービスの提供はできない。
これが、在宅ケアの普及と進化を停滞させている、と指摘する識者もいる。
既成の枠組みを撤廃しなければ、新しい時代は到来しない、という歴史の教訓を見つめなおしたい。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。