2018
05.11
お風呂あらかると 入浴拒否~『入浴福祉新聞 第21号』より~
従事者向け
『入浴福祉新聞 第21号』(昭和62(1987)年11月26日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
お風呂あらかると 入浴拒否
だいぶ以前、身体障害者の入浴を公衆浴場が拒否する事件があった。
同じように、今年の春、エイズで有名になった某市で、カナダの黒人女性が断られる騒動が起きた。彼女は、日本語の勉強とボランティアのために来日していたそうだ。
総理府が8月に発表した調査結果によると、何と30%の人が「エイズは浴場やトイレでも感染する」と誤解していたという。情報化社会に生きる日本人の知識に恐れいってしまうが、その市の事件は肌色への違和感もプラスされて起きたらしい。これまた日本人の国際感覚に驚かされる。
日本は世界でも例がないほど差別の少ない国で、それを育んだのは温泉や公衆浴場だと私は理解している。
裸になればみな兄弟姉妹入浴は人を平等意識に誘う不思議な力がある。
だから特別な医学的理由のない限り、浴場が入浴拒否をすると大事件となるのである。
それを考えると、入浴介護未実施の街などは、本来大騒ぎされてしかるべきだろう。
(久)
※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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