『入浴福祉新聞 第28号』(平成元(1989)年9月26日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
入浴介護のリハビリ効果
九州地方でも多数報告される/利用率向上が今後の課題
24時間テレビや毎日新聞西部社会事業団による、移動入浴車寄贈の援助もあって、九州地方にも入浴介護がすっかり地域に定着してきました。
福岡、大分、宮崎、鹿児島各県の28市町村から聞いた話では、やはりリハビリ的な効果があり、次のような報告が多数されています。
すなわち、「25年間も寝たきりだった対象者が、つかまって歩けるようになった」「ボケが治った」「肥満の対象者が健康的にスマートになった」「性格が明るくなった」「元気に動けるまでになり、家族もビックリしている」などなどです。
しかし、九州地方も一部の市を除き、町村部では人口減少にみまわれ、高齢化率20%を突破したところも珍しくありません。当然、寝たきりも増え続けているわけですが、入浴車を所有している地域の、見込み対象者も含めた平均の利用率は15%程度です。
鹿児島県のある地方の市町村合同福祉研究会でも、寝たきり高齢者の要望メニューは、入浴介護がやはり圧倒的という話でした。
希望者は多いが、まだ利用率が少ない理由は、
①結局は家族が世間体を気にしてしまい、諦めてしまう
②本人が恥ずかしがってしまう
③スタッフの確保が財政的にも難しい
④地元医師会の協力が得られない
⑤PR不足
などなどを九州地方の担当者も指摘していました。
こうした悩みは全国共通で、全国研修会ほかでじっくり話し合ってゆく必要がありそうです。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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