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2019 01.25
「末期ガンを宣告され激痛と闘うTさんの訪問入浴に取り組んで」⑨~『入浴福祉新聞 第64号』より~
 従事者向け

 

『入浴福祉新聞 第64号』(平成10(1998)年6月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

「末期ガンを宣告され激痛と闘うTさんの訪問入浴に取り組んで」

大分県九重町社会福祉協議会 看護婦 熊谷 京子

 

☆入浴ケアは死に怯える患者さんの不安も緩和

末期ガンのTさんと1年間も関われたため、実に多くのことが学べ、福祉サービスの課題も見いだすことができた、と痛感しています。

 

それはまず、痛みと闘っているTさんは、入浴で、確実に痛みと不安感が緩和された、という心身両面でたいへんな効果が得られた点です。これは、在宅のターミナルケアとしての訪問入浴サービスの重要な役割を立証できた、と自負さえしています。

Tさんは、激痛に襲われた時など急変時に対応できる保健医療体制がないため、たいへん不安を感じていました。また、状態の把握や褥瘡の処置などでの関わりが必要な際にも、訪問看護制度が充分ではないため、在宅介護の継続にも不安がつきまといました。

そのため、高齢者サービス調整会議のなかでも、在宅患者さんを支援する訪問医療や訪問看護が最も重要だ、との声が他の福祉サービスの担当者からも持ち上がってきたのです。そこで、昨年の12月に、郡の医師会が訪問看護ステーションを開設する運びとなったのです。

 

 

九重町でも、「最期は家で迎えたい!」という患者さんが多くなっています。私たちは、現在また、末期がんの在宅患者さんの訪問入浴サービスを始めています。Tさんと関わった貴重な体験を糧として、関係機関や関係者との連絡を密にしながら、この患者さんにも「生きてきて良かった」と思える温かで清潔な最期にしてさしあげたい、と決意しているところです。

 

 

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「末期ガンを宣告され激痛と闘うTさんの訪問入浴に取り組んで」⑧~『入浴福祉新聞 第64号』より~

 

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

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