2017
02.24
禁句したい「いい年をして・・・」~『入浴福祉新聞 第1号』より~
従事者向け
『入浴福祉新聞 第1号』(昭和57(1982)年9月15日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
福祉と入浴 禁句したい「いい年をして・・・」
老人を裸にする入浴福祉は、老人の心の奥をよく映し出してくれる。
オペレーターさんの前で寝巻を脱がされるのを、恥ずかしがるおばあちゃんもいるだろう。
看護婦さんやヘルパーさんに、甘えてくるおじいちゃんも多いはずだ。
そんなとき、言葉には出さないまでも「いい年をして・・・」と思う人はいないだろうか。
この世は男と女。異性への関心は、誰もが死ぬまで持ち続ける。
性に関することだけでなく、この「いい年」というのは、福祉をすすめるうえで、たいへんな障害物になっている。
「いい年」とはいったい何歳なのか?答えられる人はいまい。
当然だ。「いい年」などないからである。
高齢化社会になり、励まし合って生きてゆかねばならないのに、この「いい年をして」と言いたげな目つきや仕草で、老人は気分が沈み、閉鎖的になってしまう。
快活な老人でも、この言葉を聞くと滅入るほどの恐るべき殺し文句なのだ。
他人をけなすのはやさしい。だが、励ますことは難しい。
これができるか否かが、立派な福祉従事者か、そうでないかでもある。
どうか、いまだに使われている「いい年」を禁句にしてほしい。
※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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