『入浴福祉新聞 第49号』(平成6(1994)年10月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
介護福祉 こんなときどーするの
手浴・足浴の効用
指折り数えた入浴日…。しかし、入浴が中止となった時の対象者の落胆ぶりといったらありません。
「死んでもいいから入れてくれ」とせがまれ、「ハイ」と答えられずに悩んだ経験をお持ちの方も多いことでしょう。
入浴のかわりに「清拭」をする地域もあるようですが、体調と相談して「部分浴」を取り入れたらどうでしょう。
手・足・陰部などをお湯で洗い流すことを「部分浴」といいますが、カラダのなかでも特に汚れやすい所をお湯につけたり、洗い流したりしますと、やはりたいへん気持ちのいいものです。
(手浴)
①手首まで入るぐらいの洗い桶、②石鹸、③タオル、④40℃前後のお湯、を準備します。
お湯のなかに手を入れて石鹸をつけて洗います。指の間も丁寧に汚れを落として差し上げてください。
麻痺で手を握ったままの状態の対象者は、特に念入りに。爪の手入れもしたいものです。
(足浴)
①ビニール、②洗い桶、③タオル、④石鹸、⑤39℃~40℃のお湯、を用意します。
タオルに石鹸をつけ、(軍手でも素手でもけっこうです)足の甲、踵、足の裏側、足首から膝の方へと洗っていきます。このあと、お湯をかけて石鹸分を流し、タオルで水滴をよく拭きとります。
最近は、足浴用の浴剤も販売されていますが、ふだん使用されている入浴剤でもけっこうです。
ただし、入浴剤の種類によっては、かゆみや湿疹がでる対象者もいますから、注意してください。
足浴は、体験した人でないとわからない、何ともいえない心地よさがありますし、清拭では得られない全身の温浴効果も得られます。また、さら湯より浴剤入りの足浴の方が、保湿効果の高いこともわかっています。
全身の清拭をしたあと、両手・両足を同時にお湯に入れますと、爽快感はバツグンです。
ぜひ、ご自身で試してみてください。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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