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2019 11.29
寝たきりの旧友の心を橋渡し~『入浴福祉新聞 第38号』より~
 従事者向け

 

『入浴福祉新聞 第38号』(平成4(1992)年1月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

寝たきりの旧友の心を橋渡し

山形県酒田市 庄内入浴サービス 近況を伝えたり手紙を届けたり

 

 

山形県酒田市の有限会社庄内入浴サービスも、訪問入浴を初めて早や6年。

庄内地区の市町村から委託を受け、2台の移動入浴車が、連日フル回転を続けています。

 

5月はショウブ湯、7月はミニ七夕、12月はユズ湯といった具合に、

熱心なスタッフが季節の心づくしも忘れず、対象者や家族から喜ばれてきました。

 

そんなスタッフが最近、“大発見”。

酒田市本楯地区の対象者、松田コイトさん(88歳)と日下部二三枝さん(89歳)のお2人が、

学生時代からの友人であることが判ったのです。

寝たきりになってからは、連絡も取れず、お互いに心配していましたので、入浴時には必ず、

旧友の近況をスタッフが話すことにしました。やはりお2人とも大感激して聴いてくれます。

 

もっと気持ちを伝える方法はないだろうか…と考えたスタッフは、

歌を創ったり書いたりが好きな松田さんに、一筆お願いしました。

それを日下部さんにお渡しする、という友情の橋渡しができたのでした。

 

 

松田さんのお手紙には、次のように入浴介護の感想も込められていました。

 

「日下部さん こんにちわ 御無沙汰ご免ください。

 貴女様も私と、同じお風呂の御世話になっているとのこと。

 体が洗い終わると全体がホカホカして、病気が治ったかのような気持ちになります。

 お風呂の方々は御親切で、本当に私達は幸せです。

 貴女様も何か1つ楽しみを持てばと思い、2、3曲作詞してみました。

 北嶋三郎さんの『はるばる来たぜ函館』の替え歌

 

  はるばる来たぜ本楯~ ながい道中も無事こえて ここは日下部さんのお宅です

  米寿祝のおばあちゃんに 一目だけでも会いたくて

  とっても来ねでは おられなかったよ~

 

                                 松田コイト」

 

 

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

 

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