2023
08.25
前照灯~『入浴福祉新聞 第99号』より~
『入浴福祉新聞 第99号』(平成19(2007)年2月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
前照灯
昨年4月からの改正介護保険で始まった新介護予防サービスは、ほとんどの市区町村が「地域包括支援センター」を早々と設置して取り組みを始め、介護保険の給付費が抑制されました。
〔介護予防高齢者〕の健康はアップしたのか?注目したいところですが、共同通信社が全国市区町村にアンケートをしたところ、新介護予防に「ある程度は期待する」が55%、「期待する」が22%でした。
しかし、21%の「あまり期待しない」と2%の「期待しない」を合わせて約4分の1の自治体が懐疑的なのです。
〔期待しない派〕は、高齢化率が高い…人口が少ない…といった町村部に目立ちました。
これはいったい何を意味するのでしょう。
いま日本んはますます大都市集中が進み、首都圏では4県が束になっても東京の繁栄ぶりに勝てません。
北海道や東北でも近畿や関西でも中国四国でも九州でも、ヒト・モノ・カネの一極集中が進み、周辺は高齢化が激しくなり、閑散としているはずです。
そんななかで、最後まで元気でいて素晴らしい人生を送ろう、といった考えが持ちにくいためかもしれません。つまり、〔介護予防の地域格差〕です。
その根底には〔介護や医療全体の地域格差〕もあるはずで、格差社会の深刻さを感じてしまいます。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。