2022
12.16
前照灯~『入浴福祉新聞 第91号』より~
『入浴福祉新聞 第91号』(平成17(2005)年2月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
前照灯
本紙第90号でお伝えしたように、日本入浴福祉研究会の理事でもある田中荘司日本大学教授らの長年の努力によって、高齢者虐待の防止対策が徐々に動きだしている。
『高齢者虐待防止法』ができるのも間近なはずだ。
高齢者虐待の究極は〔介護殺人〕だが、『日本福祉大学社会福祉論集』2004年2月発行号に掲載された加藤悦子氏の「親族による高齢者が関わる殺人や心中事件の実態』によると、2000年には約40件の〔介護殺人〕や〔介護心中〕が起きたそうだ。
いずれも加害者のほとんどは、夫や息子だという。
家族介護は、いまだに〔嫁〕が中心の日本社会にあって、〔嫁〕が要介護の母親や父親、あるいわ姑や舅を殺したり、心中を企てたり、という行為はきわめて稀である。
家族に要介護者を抱えると、なぜ男は究極の行動に出てしまう場合があるのか?
男はもともと暴力的、と片付けられそうだが、男は家庭介護に仕事感覚を持ち込み、目標を掲げながらも目立った成果が得られないと、苛立ち、ストレスを蓄積させるため、との説もある。
となると、ケアマネジメントや介護効果の評価もほどほどに、ということになり、難しいものである。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。