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2017 10.06
入浴福祉懸賞論文②「声を出すこと唄うこと」~『入浴福祉新聞 第16号』より~
 従事者向け

 

『入浴福祉新聞 第16号』(昭和61(1986)年9月15日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

『声を出すこと唄うこと』

千葉県我孫子市老人福祉課 ホームヘルパー 島雄 恭子

 

脳血栓で倒れ、左半身マヒとなったTさん宅を初訪問したとき、父の世話をしている若い娘は、木で鼻をくくるような態度で、家庭の温かさを感じなかった。

妻は以前からの勤めを続けており、1回目の入浴日は仕事を休んで手伝ったものの、快復などあきらめているかのように淡々としたものだった。主は声も出さず、下を向いたままだ。

 

 

だが回数がすすむと、時折大きな声で妻に指図するようになる。

入浴中に「あー」というと、妻は「あーではわかりません、ああいい気持でしょう」。

うながされた夫はニヤーッと笑いながら、はっきりと答えるようになっていった。

 

 

そして、入浴担当者のすすめでリハビリに通うことになり、車椅子に乗ったり、私たちに歩行訓練を見せたりするほど快復。月2回の入浴を週1回にしてみた。

 

すると機嫌はいっそう良くなり、忘れかけた歌詞を思い出しながら唄うことで酸素が身体にいっぱい入り、血行も消化も脳の動きも良くなると説明したのである。

 

夫婦仲良く歌を練習するようになり、入浴44回目には「もみじ」を全員で合唱。

歌をはじめて1ヵ月半で肺活量が2000ccから2400ccになったこともわかった。

 

 

「荒城の月」「ふるさと」を披露した日、そばの妻は泣いていた。

 

 

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

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