『入浴福祉新聞 第71号』(平成12(2000)年4月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
企業の新規参入希望分野やはり医療と福祉トップ
京浜工業地帯をかかえ、大・中・小さまざまな事業所が集中する横浜市でも、その企業の多くが厳しい経営を強いられている。
どの経営エ社も、なんとか21世紀への活路を見出したい、と本業以外の分野への進出も考えながら暗中模索を続けているが、横浜市経済局が昨年秋に調査したところ、「これから取り組みたい分野」のトップが〔医療・福祉〕で、実に27%の企業がターゲットにしていた。
2位が〔情報・通信〕で26%、3位が〔新製造技術〕の20%、4位は〔環境〕で17%の進出希望率だった。
おそらく、こうした傾向は全国の企業に共通する意識だろう。しかし、それまでの分野で実績をあげ、資本を蓄積したとしても、新分野での成功は甘いものではない。横浜市のその調査でも、「新分野に取り組む際の難題」として、多くの企業が、人材不足・・・リスクの大きさ・・・技術力と専門性の不足・・・などを指摘している。先行き不透明な時代ではなおさら、新分野への挑戦は簡単ではない。
そうした時代を反映して、介護保険の導入が決まって以降、とりわけ〔福祉〕分野への異業種参入が厳しくなってきたものの、既存の優良企業とタイアップするスタイルでの進出が目立つわけだ。訪問入浴サービスやホームヘルプ派遣で先駆的な役割を果たしてきた民間企業が、ここ1~2年で大手資本と合併したり、吸収されたりする動きがドタバタと発生したのはそのためである。
これからも、かなりの大手異業種企業が、福祉分野に参入し、10年後20年後には、この世界も様変わりするかもしれない。医療や福祉の経営には、〔倫理〕が強く求められる。倫理観が希薄とされてきた日本の企業が、この分野に入ることで、その体質に変革がもたらされるなら、おおいに歓迎したい。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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