2020
01.24
介護保険導入を前に~『入浴福祉新聞 第68号』より~
従事者向け
『入浴福祉新聞 第68号』(平成11(1999)年6月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
介護保険導入を前に
日本初の〔脳死判定による臓器移植〕のニュースが、華々しく大々的に伝えられたのを前後して、医療機関や福祉施設などの不祥事が続発している。
手術患者を取り違えた大学病院・・・インフルエンザの集団感染で次々と死者を出した老人ホームや老人病院・・・注射薬を間違えたり輸血ミスをした総合病院・・・浴室で入居者を床に落として死なせてしまった特養・・・患者に患者のオムツ交換を素手でさせていた精神病院・・・寄附金を入居者に強要していた特養・・・14時間風呂のレジオネラ菌感染で入居者が死亡していた特養・・・などなど、数えきれないほどのトラブルが発覚している。
こうした報道に接した国民の多くが、「最近の医療や福祉はいったいどうなっているのか」と不信感を増幅させていることだろう。
平和で食料も物資も豊富な〔天国のような日本〕に生きていると、現世への執着心は強くなる。
それだけに、医療や福祉にもっと頼りたい気分はいっそう醸成される。
むろんそれは悪いことではないが、その〔現世執着気分〕を巧みに利用した悪徳もはびこる。
その結果、この分野に従事する専門家が誇りと情熱を失いつつある時代なのか。
介護保険の導入を前にして驚くべきトラブル続きは不気味だ。
(露)
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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