2022
04.22
編集室~『入浴福祉新聞 第84号』より~
従事者向け
『入浴福祉新聞 第84号』(平成15(2003)年7月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
編集室
ある雑誌をめくっていたら、医療法人理事長で温泉療法医の神山五郎氏によるエッセイが飛び込んできて、目からウロコの気分になった。
このごろ頻繁に使われるようになった〔介護予防〕なる語句はオカシイ、と異議申立をしているのである。
たしかに、生活習慣病予防…転倒予防…犯罪予防…火災予防…など、〔予防〕を付した言葉は多いのだが、いずれも「あってはならないコト」「避けたいコト」「好ましくないコト」を予め防ぐ、との意味である。
となると、〔予防〕が付けられた〔介護〕は、「忌避すべきコト」になってしまう。
突然死でもしない限り、誰もが最期は介護や医療のお世話になる。それは憲法も保障している基本的人権だ。なのに「介護は良くないコト」との意味を含ませると、要介護者も肩身が狭くなる。〔病気予防〕は使うが、〔医療予防〕との言葉はない。
同じように、〔介護老人福祉施設〕〔介護老人保健施設〕も奇妙な造語だ。〔介護老人〕とはいったいどのような老人なのだろう?
度の世界にも他人を傷つける言葉はあるが、福祉の世界はそうであってはならない。(露)
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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