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2020 06.12
[健康浴]の時代に期待したい[森林浴の医学的研究]~『入浴福祉新聞 第90号』より~

 

『入浴福祉新聞 第90号』(平成16(2004)年11月15日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

 

[健康浴]の時代に期待したい[森林浴の医学的研究]

 

 

 

環境があまりにも汚染されたためか、〔健康浴の時代〕にあって、温泉地やスーパー銭湯は相変わらず賑わっているようです。

この〔健康浴〕のひとつに、〔森林浴〕がこれから大きく位置を占めそうな気配になってきました。

〔森林浴〕という言葉自体は、20年以上も前に生まれたのですが、「森や林を歩くと健康にいい・・・癒される・・・」とされてはいたものの、医学的な根拠はほとんど解き明かされてはきませんでした。

そこで、林野庁が今年度から国内では初めて、〔森林浴効果の科学的研究〕に乗り出し、将来的には、健康増進・・・病気予防・・・治療・・・リハビリ・・・などに応用できる〔森林医学〕までのレベルに高めるそうで、たいへん期待されています。

すでに、医療関係者や大学教授らが参加する「森林セラピー研究会」が、この春に発足し、さっそく、森林を歩いたときと、駅前の繁華街などを歩いた時との心身に与える影響の相違についての実験もスタートさせています。

森林を歩いた時に、血圧や脈拍や心拍の変化はもちろん、脳活動・・・血中コチゾールなどストレスホルモンやストレス関連物質・・・免疫機能の一種であるNK細胞の活性度・・・などなどを調べたりしてゆくそうです。

さらに、森林で聴く小鳥のさえずり、せせらぎの水音、葉の擦れ合う音、落ち葉を踏みしめる音・・・それに樹木の葉や幹が発散する芳香性物質フィトンチッドほか、森林に豊富な物質・・・などなど五感に与える効果も科学的に測定してゆく計画とか。

ヨーロッパでは、温泉療法が盛んに行われているドイツを中心に、森林浴の医学的研究も進んでいますが、ようやく着手することになった日本の遅れは否めませんし、効果が得られる森林療法の適地やメニューなどを完成させるまでには、相当な時間がかかるでしょうが、ぜひ国の予算をたっぷりと付けて研究を深めてほしい気がします。

そうした動きのなかで、カネボウの研究室が、「温泉の匂いには、松や杉や檜などの香料成分が含まれていて、これが温泉のリラックス効果を高めている」ことを突き止め、入浴剤に応用できる旨を発表して注目されるようになりました。

日本の〔自然療法〕もいよいよ新しい時代を迎えているようです。

 

 

 

※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

 

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