介護の現場には様々な声があふれています。
介護に携わるスタッフの声、介護サービスを受けるご利用者の声、それを見守るご家族の声。
介護が必要になった方々に対して交わされる言葉の数々は優しく、切実です。
創られたものではなく、誰かが実際に発した「Voice」は人の胸を打つことがあります。
ここではそんな声の数々をご紹介していきます。
実習を終えて K・H
移動入浴での実習というこうとで、頭の中では車の中に浴槽があり、その中に対象者を運んで洗うのか、対象者の家の浴槽を用いて入浴の手伝いを行うのかなと思っていました。
ところが車の中に浴槽がつんでありそれを対象者の家にセットして入浴を行うことでした。実際に見てみるとなるほど、そうだよなと思うのでした。
対象者の家を訪れると、まず本人の健康状態をチェックして入浴が行えるかを決定します。しかし、この時の判断は看護婦自身が行うため、短い観察時間での情報の収集と結論が難しいと思えます。入浴中も対象者の状態に注意しておくことも大切でしょう。
対象者への声のかけ方、移動方法、入浴中の解除と、どれをとってもスタッフ全員の息が合っており、一連の流れがとてもスムーズでした。対象者に与える苦痛なども少なくてとても好感がもてました。
もし自分の両親などが寝たきりなってしまったらぜひ利用したいサービスだなと思います。
実際の入浴時間は5~6分で、健常者から見れば短い気もしますが、寝たきりで体力的にも弱い方のことを考えると、その時間の中でテキパキと洗ってお湯につかってもらうことは十分かなとも思えます。四肢の不自由な方、皮膚の弱い方など、いろいろな方がおられるので、対象者の扱い方にも注意が必要です。
入浴後対象者の表情を見ると、血行が良くなり、ほんのりと赤みがかかっており、言葉は難しいけど「ああ、生きているんだな」と感じました。
もし自分が対象者だったらどんなことをされたら嬉しいかと考えてみると、どんどん行えること、行いたいことが発見できると思います。半日という短い実習でしたが、移動入浴車が各家庭において、どんあ意味や価値があるのかを感じとれました。
許可をいただきまして、水俣市社会福祉協議会 入浴スタッフ一同様が発行されている
『水俣市入浴車だより 秋号(平成11(1999)年11月発行)』から、掲載させていただきました。 |
訪問入浴介護に関するエピソードなど、皆様の“Voice”をお寄せください。お待ちしております。
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