『入浴福祉新聞 第18号』(昭和62(1987)年3月2日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
訪問入浴看護と自立指導
エンゼルヘルプサービス 代表 看護婦 小林 カツエ
☆寝たきり治す入浴技術☆
寝たきりの大半は、指導の仕方いかんでは起立できる、といいますが、私も訪問をしていて、足の土踏まず部分にまだ弾性があり、脚のバネを喪しなっていない患者をかなり発覚します。
こうした人たちは、入浴看護と指導で寝たきりをやめさせることができます。
心と身体の自立を促す入浴看護技術の詳細は、紙面の都合で書ききれませんし、別の機会で発表したいと思っていますが、要は、脊髄を中心にして身体の左右上下の先端へと徐々に与える温熱刺激のコツ、延髄のある頭頂部の入浴中の保温、さらに、東洋医学療法を応用したツボを刺激しながらのマッサージ的な洗い方などを、絶えず明るく語りかけ励ましながら行うのが秘訣です。
気分快適となった入浴後も、患者に応じた目標設定をして歩行訓練等も実施しています。
こうした看護により数回の入浴で、着換えと歩行をするようになった95歳の男性、血圧が50mmHgも下がり起立可能となった83歳の女性、両手支えで部屋歩きに自信がついた70歳の男性、針仕事まで始め、車椅子で生活できるようになった71歳の女性、などなど、実にたくさんのいい結果を得てきました。
いずれも脳血管障害の後遺症や心臓病、その他の疾病を持つ患者で、担当ドクターも驚くばかりです。
入浴福祉が開始されて15年を経たそうですが、これからは在宅のリハビリ看護に位置づけて、医師と連携を密にしながら訪問看護の中心的存在になるよう、入浴看護の質をもっと高めてゆくべきではないでしょうか。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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