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2023 04.28
高橋ドクターのちょっと豆知識~『入浴福祉新聞 第145号』より~

『入浴福祉新聞 第145号』(令和2(2020)年1月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

高橋ドクターのちょっと豆知識

鼻の機能と入浴で風邪予防

 

寒さが厳しくなりました。冷えて空気が乾燥すると風邪やインフルエンザウイルスなどの流行が気になります。そんな季節には、やっぱりお風呂です。体を温めて血行を促進し、代謝や免疫力を高めるには最高の習慣ですが、実は鼻の役割を助けるのにも効果的です。

■フィルター機能

空気中には埃やごみ、細菌、カビなどの胞子がたくさん含まれています。そんな汚れた空気をそのまま吸い込むと、肺炎や気管支炎の原因になります。そこで、肺に入る空気のゴミなどを、ろ過するところが鼻腔です。

まずは、鼻の入り口(鼻前庭)に生えている鼻毛が比較的大きなゴミを取り除きます。鼻毛が黒々と見えているのはかっこ悪いかもしれませんが、ゴミを取り除くという大切な役目があるのです。

次に控えているのが、鼻腔粘膜と粘膜表面の繊毛です。鼻毛がとりきれなかった、より小さなゴミや細菌などを鼻粘膜の粘液や繊毛にくっつけて取り除きます。その鼻粘膜の面積を増やすために鼻甲介というゼンマイのような部分があります。なんとこの鼻毛と鼻甲介の粘膜で約70%のゴミや細菌などを取り除きます。

■加湿器・エアコン機能

肺での呼吸に最適な空気の温度は吸気時に気管で32度、肺で37度で、湿度は気管で90%、肺で95%と言われています。ですから、冬の寒い時期に冷たくて乾燥した空気がそのまま気管を通過して肺に入っていたら、肺や気管支が急激な収縮を起こして喘息のような発作を起こしかねません。

ここで鼻腔の構造が役に立ちます。空気を温めて、湿気を与えることで肺のダメージを軽減してくれます。逆に砂漠などの灼熱地帯では、熱い乾燥した空気を鼻腔は冷却・加湿しています。

一般的に風邪やインフルエンザウイルスは40%以下の湿度で活発に活動するといわれています。「お風呂の湯気」は、肺へ湿気のある温かい空気を最初から与えますので、鼻の役目も他受、風邪を予防する効果に期待できます。ここでも冬場のお風呂が健康に一役買っているという訳です。

お家に帰ったら、うがい・手洗い・お風呂としたいものです。

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

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