『入浴福祉新聞　第125号』(平成25(2013)年7月1日発行)より 　過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。 　発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
	高橋ドクターのちょっと豆知識　医療法人千甫会高橋外科医院副院長　高橋 亨 　筋肉の疲労回復とお風呂

筋肉内には、血管やリンパ管などが豊富に分布しています。その中でも特殊なのはcistern（シスターン）と呼ばれる、筋肉内に水分や栄養を補給している管です。

血管やリンパ管などは筋肉や膜でできており、これらの管は適度な温度の刺激によって動脈も静脈もリンパ管も、拡張することが知られています。血管などが、拡張すれば血流量が増加し、組織への循環が良くなります。血流が良くなることで、筋肉内にたまっていた疲労物質や痛みの原因物質などが血流にのって、筋肉内から除去されるために筋肉の疲労が改善します。そしてcistern（シスターン）が筋肉組織に栄養や水分を供給して、疲れた筋肉を回復させます。

また、運動によって筋肉は血流が少なくなり筋肉内のPHが酸性になります。その酸性になった筋肉をお風呂のお湯の熱で温めることによって、血管を拡張させ、血流が増えることによって酸性を中和させ、疲労を回復する効果があります。

疲れた日はお風呂にゆっくりとつかって、筋肉の疲れを癒されてはどうでしょうか。