

『入浴福祉新聞 第132号』(平成27(2015)年4月1日号)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
地方創生シリーズ①
温泉の無い宿を「温泉宿」に~源泉の分湯で温泉郷をつくる~
昨年、まち・ひと・しごと創生法(以下「創生法」という)が成立し、国として人口減少、地方創生に対応する体制の整備が行われたことはまだ記憶に新しいところです。
そのなかで話題になっているのは「地域消費喚起・生活支援型」交付金(2500億円)で、プレミアム付地域振興商品券の発行や子供の医療費の窓口負担をゼロにするなどの子育て支援への使い道が多く占めそうな様相です。これらは地域商店街の売り上げ向上や活用促進、子育て世代への支援として役立てられるわけです。
この交付金を利用して茨城県土浦市では、市が所有している源泉を活用し、地域活性を図る活動が話題になっています。これは源泉に設置された温泉スタンドから温泉水の供給を受け、近在の温泉施設や宿泊施設へ分湯することで、「霞ヶ浦温泉郷」と銘打って全国的に知名度を上げ、地域の観光活性化を図ろうというものです。
首都圏からの手軽な距離と日本第2位の湖面積の広さを誇る霞ヶ浦は、釣りや水上レジャーの人気スポットでもあり、大浴場の温泉を有した宿泊施設は大きな魅力となります。
昨年1月からすでに行方市や潮来市など、霞ケ浦周辺の温泉施設や観光協会、市職員からなる「霞ヶ浦温泉郷交流会」が結成され、源泉の温水利用勉強会も始められています。
大量の温泉水の運搬供給に手間暇がかかるという課題はありますが、東京オリンピック開催も見据え、地域活性の目玉になるか注目が集まっています。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。