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2019 09.27
介護保険で表面化するか[利用者からの苦情]~『入浴福祉新聞 第66号』より~
 従事者向け

 

『入浴福祉新聞 第66号』(平成10(1998)年11月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

介護保険で表面化するか[利用者からの苦情]

 

[秒読み段階]に入った2000年度からの介護保険制度への移行をひかえ、福祉の世界は慌ただしさを増しています。新しい制度になりますと、保険料の支払者=利用者は、サービス提供機関を自由に選択できるようになりますし、さまざまな要望がいっきに表面化することも考えられ、サービス内容によっては苦情というカタチで噴出してくるかもしれません。そのため、サービス提供機関は、〔利用者保護〕の観点からも、要望や苦情に対応できる体制づくりが不可欠になります。

 

 

介護保険法案のなかには、〔苦情処理システムの整備〕も盛り込まれているのですが、この面の準備はまだまだすすんでいないのが現状です。そこで、在宅介護サービス利用者からの苦情とその処理の実態を把握して、今後の課題を研究してみよう、と(社)シルバーサービス振興会では、今年の1月にアンケート調査などを実施。このほど、『シルバーサービス利用者の苦情処理の実態に関する調査研究事業報告書』として発表しました。

〔在宅福祉への苦情〕をテーマにした大がかりな全国調査は初めてといわれるだけに、貴重な資料になっています。

アンケートは、無作為抽出した全国入浴福祉事業者協議会などに加盟する民間事業者(在宅介護、訪問入浴、配食、福祉用具販売、同レンタルなど5業種)1058社と人口1.5万人以上の939市区町村、それに全国の消費者センター347ヶ所に対して行い、回収率は民間事業者59%、自治体40%、消費者センター45%でした。

調査結果によると、民間事業者でも「苦情処理専用窓口」を設置しているのは32%と少ないのですが、「受け付けた苦情の記録と保管をしている」とした企業が85%に達し、「苦情処理に関する社内規定やマニュアルがある」企業も75%で、民間企業の体制はまずまず、といったところでした。

「苦情がなし」とした企業は、5業種全体で28%に過ぎず、ほとんどが何らかの苦情を利用者から受けていることも判明しました。

年間の苦情受付件数は、5業種の平均で1社17軒ほどですが、年間ゼロという企業から年間50件以上も寄せられる企業も散見され、かなりバラツキがあるようです。

苦情の内容で目立つのは、在宅介護、訪問入浴、配食といった3業種が「サービスの内容と質について」で、それぞれ44%、36%、66%です。これに対して、福祉用具の販売とレンタルでは、「福祉用具自体への苦情」が多く、おのおの47%と32%でした。

一方、市区町村へのアンケートでは、7割強が「苦情はなし」「ほとんどなし」と回答。「あり」と答えた市区町村の年間苦情件数は23件でした。そして、市区町村に寄せられる苦情の38%は「サービス内容に関する苦情」で、31%が「制度自体への苦情」でした。

 

利用者は、〔民間にはもの申しやすく・・・市区町村には言いにくい〕といった意識もあるようですが、回答を寄せた市区町村の実に83%が、「潜在化している苦情がかなりある」もしくは「あると思う」と予想していて、各地域での苦情処理体制づくりを急ぐ必要がありそうです。

 

 

 

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

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