介護の現場には様々な声があふれています。
介護に携わるスタッフの声、介護サービスを受けるご利用者の声、それを見守るご家族の声。
介護が必要になった方々に対して交わされる言葉の数々は優しく、切実です。
創られたものではなく、誰かが実際に発した「Voice」は人の胸を打つことがあります。
ここではそんな声の数々をご紹介していきます。
入浴車に感謝 O・S(81歳)
入浴スタッフの皆様、入浴の介護作業本当に大変だろうと、いつも感謝しながら状況を眺めております。
中腰で、介護作業をするのが、腰痛の一番の要因になりますので、スタッフの皆さんの健康状況をいつも心配しております。
皆さんは、老人福祉の事を良く考えられて、誠に親切丁寧に、入浴作業をやって頂きまして、本当にありがとうございます。スタッフの方々の優しい話かけや、手際よい扱い方で、拙宅の妻(86歳)も非常に満足して、「ありがたいことです。」と言っております。
寝たきりの老人になると、人生に何の希望もなく、ただ3度の食事と、入浴車の来訪だけが楽しみであろうと思っております。80年、90年の永い、永い人生を生きながらえて、自宅で入浴できることは、本当に、天からの授かりもののように感謝しております。
90歳前後で、他界される人が多い今の時代では、入浴車のお世話になる老人が益々多くなることでしょう。
老人介護の問題は、これからの長寿社会においては益々重要な課題として論議されねばならないことと思います。
従来の一般的な考え、あるいは、習慣として、老人の介護や、色々面倒を見るのは、主婦か、嫁かの責任であるかのように思われ、それが又、当然のように言われてきたが、これからの長寿社会においては最早、昔からの理念や、常識では解決できる問題ではありません。
入浴車スタッフの皆さんは、老人福祉の現実に、身を持って努力しておられて、心から感謝しております。
これからも健康第一でご活躍下さい。ともすれば、暗くなりがちな老人との対話も、大変難しいものでしょうが、残された人生を、なるだけ明るい方向へ導いて下さい。
色々話したり、考えたりしている間に、自分自身がお世話になるかもしれません。
その時は、どうぞよろしくお願いします。
(平成11年晩秋の記)
許可をいただきまして、水俣市社会福祉協議会 入浴スタッフ一同様が発行されている
『水俣市入浴車だより 秋号(平成11(1999)年11月発行)』から、掲載させていただきました。 |
訪問入浴介護に関するエピソードなど、皆様の“Voice”をお寄せください。お待ちしております。
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