『入浴福祉新聞 第52号』(平成7(1995)年7月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
介護福祉 こんなときどーするの
正しい姿勢で腰痛予防を
高齢者の介護では、とかく前かがみや中腰の姿勢をとることが多いため、腰痛に悩む介護者が少なくありません。
腰痛の予防にはまず、ふだんの生活での「正しい姿勢」が非常に大切だといわれています。
私たちの背骨=脊柱は、横から見ると、ゆるやかなS字カーブになっています。
〔正しい姿勢〕とは、この「生理的湾曲」を正常に維持することともいえます。
「立つ時」は、背筋を伸ばし、胸をはり、腹部と臀部の筋肉を引き締め、重心を足の中央にかけます。
「歩く時」も同様の姿勢を基本にして、膝を伸ばし、踵から爪先に重心を移動させます。膝を曲げて歩きますと、非常に疲れやすくなります。
家事をする時にも、背中が丸くならないように注意してください。
そのためには、アイロン台や、掃除機のつなぎパイプを必ず使うようにした方がいいでしょう。
「重いものを持ち上げる時」は、いったん膝を曲げて腰を落とし、対象物を自分の身体に引き寄せてから、腹部にも力を入れることが大切です。
「長時間しゃがんだ姿勢」での作業は、腰痛をひきおこしますので、ときどき背筋を伸ばしましょう。
〔日常の姿勢〕に注意しながら、介護者ならふだんから背筋や腹筋を鍛え、腰痛体操も続けてほしいものです。
また、太りすぎは背骨に負担がかかり、腰痛の原因にもなります。
入浴は腰痛の予防と治癒にたいへん効き目がありますので、38℃~39℃の微温浴と入浴剤を上手に利用して、腰部の血液循環を活発にさせてください。
腰痛が慢性になっている、という方は、仕事の時にはコルセットを着用して保護した方がいいでしょう。
より良い介護福祉を提供するには、まず介護者自身が健康でありたいものです。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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