『入浴福祉新聞 第82号』(平成14(2002)年12月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
ヘルパー資格を取得する理容師さん美容師さんが急増
日常生活に欠かせない理美容介護も保険で提供したい
〔訪問専門歯科診療〕と並んで、これからもっと充実させてゆきたいのが〔訪問理美容〕です。
このサービスは、地域の利用資産や美容師さんが、福祉施設などに出かけるボランティアから始まりました。
現在では、市町村が高齢者支援事業として取り組む場合は、国が助成する制度もあり、かなりの地域で行われているようです。
髪をカットして、好みのヘアスタイルにする…髭を剃る…口紅を付けるなどの化粧もする…といった〔整容〕は、高齢者にも基本的な欲求としてあります。
そして、身ぎれいになったことで、内面が輝き、自身もつき、脳も活性化して自立心さえ芽生えてくることが判ってきました。
しかし理美容も、要介護高齢者の身体機能や体調、心理面などを考慮しながらサービスを行う必要があります。
そこで、都道府県市区町村の理美容関連の組合がヘルパー養成の資格を取得している事業所などと提携して、2級のヘルパー口座を開く例が目立ってきました。
高知県などでは、1000人以上の理容師さんと美容師さんがヘルパー講座を受講したり、神奈川県や兵庫県の美容師組合でも定期的にヘルパー講習会を開催しています。
やはりヘルパー資格のある理容師さんですと、家庭や施設の要介護高齢者は安心し受けがいいようです。
こうした時代の流れのなかで、本格的な設備を備えた〔理美容車〕の普及が期待されるのですが、規制が厳しくて道のりは平たんではないとか。
〔理美容車〕は特別店舗の扱いを受けるため、都道府県の許可が必要で、その店舗面積も都道府県によってマチマチといった面倒な事情があるためです。
こうした点も早急にクリアして、〔理美容介護〕を介護保険の対象にしていくことも検討すべきでしょう。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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