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2018 06.01
「末期ガンを宣告され激痛と闘うTさんの訪問入浴に取り組んで」①~『入浴福祉新聞 第64号』より~
 従事者向け

 

『入浴福祉新聞 第64号』(平成10(1998)年6月1日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

「末期ガンを宣告され激痛と闘うTさんの訪問入浴に取り組んで」

大分県九重町社会福祉協議会 看護婦 熊谷 京子

 

 

※目立ってきたターミナルケアとしての訪問入浴介護※

要援助高齢者を対象とする入浴付きデイサービスが各地で普及する一方、早期退院制度によって重度の患者さんも在宅でケアをする家庭が多くなり、訪問入浴サービスの対象者も、医療的な措置や配慮をかなり必要とする方が目立ってきました。そのため、ターミナルケアとしての意味合いが、訪問入浴サービスに加わってきました。

 

そうしたなか、平成8年に福岡市で開催された「第32回全国入浴福祉研修会」で、〔現場からのレポート〕をされた大分県九重町社会福祉協議会の看護婦=熊谷京子さんは、末期がんの在宅患者さんのケースを取り上げてくださいました。〔死の淵〕に立たされた患者さんに対して、スタッフが懸命に入浴介護を中心にケアを続けている報告は、研修会の参加者を驚かせ、訪問入浴サービスだからできる〔これからの介護の大きなひとつの方向性〕をも示唆してくれました。

 

(中略)

 

熊谷看護婦が担当された末期ガンの患者Tさんは、平成4年に、本人の強い希望もあって医師からガンの宣告がされました。その後、通院をしながら仕事もしていたものの、平成6年には大腿部にガンが転移していることが判明。骨折の治療も含めて、入退院を繰り返す生活となりました。

しかし、「自宅で暮らしたい」との希望を奥様が聞き入れ、在宅での闘病となり、「お風呂好きなので、なんとか入浴を!」との要請が寄せられ、平成8年3月から訪問入浴サービスが開始されたのです。

モルヒネの内服や注射で痛みを抑えながら、ガンと闘うTさんの〔生への執念〕と、「お風呂に入れるのが唯一の楽しみだ・・・入浴すると痛みがやわらぐ・・・」との希望をかなえるため、スタッフは衣類の脱着、浴槽までの移動・・・入浴・・・浴後の処置・・・などなどすべてにわたって、Tさんに最適な入浴介護の創意工夫を重ねてゆきます。

九重町はまだ、訪問看護制度が整備されていないため、入浴介護のスタッフは開業医に膀胱洗浄などのための往診も依頼したりしながら、その夏からは週3回の入浴を実施することにしました。そうしたスタッフの支援が効果をあげ、Tさんも1日1日を充実させようと前向きに生きる決意をしてゆきます。

 

では、そのTさんはその後どのような経過をたどり、入浴介護のスタッフはどんな対応を続けたのでしょうか。

 

 

このほど、熊谷看護婦から、死に至るまでの〔ケア日誌〕が編集部に寄せられましたので、全文を掲載いたします。皆さまも、とりわけ印象深い対象者と接しながら、〔ケア日誌〕などを残されますと、仕事の達成感も得られ、明日への意欲もわいてくるのではと思います。

 

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

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