『入浴福祉新聞 第71号』(平成12(2000)年4月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
介護保険で訪問入浴が受けられなくなった
ある新聞の読者欄に寄せられた投稿の衝撃
サービスを受ける本人はもちろん家族にも、釈然としなかった介護保険制度の仕組みも、訪問調査と介護度の判定、ケアプランの作成とサービスの提供、といった流れのなかで、「なんとか理解できるようになった」という住民が、皆さんの地域でも多いのではないでしょうか。
また、福祉関係者が新しい制度の準備におおわらわするなかで、各新聞の読者欄には、〔介護保険をめぐる国民の声〕が随分と掲載されました。
その1つに、入浴者に来てもらっている50歳の女性の投稿文がありました。
公的サービスを受けながら、75歳の母を自宅で介護している・・・介護保険には期待をもっていたが、要介護1の認定を受け、ケアプランをたててもらったら愕然とした・・・母はお風呂に入れないのだ・・・保険の枠を考えると、値段が相対的に高い訪問入浴サービスを、いままで受けていたのに削らなければならないためである・・・。
といった訴えのあとに、3人も来てもらわなくてもいい・・・訪問入浴サービスの値段の幅を広げて、利用しやすいようにしてほしい旨が強調されていたのです。
すでに、この女性と同様な事態になってしまった家庭も少なくないかも知れません。
介護保険による訪問入浴サービスは、看護職1名と介護職2名で実施した場合が12500円。しかし、医師の許可を得て介護職3名で行った場合は5%引き、つまり11875円と決められました。
介護職だけでいいのか・・・との疑問は、全国入浴福祉研修会でも出されましたし、重度対象者の入浴介護をして12500円は安すぎる・・・との批判も、現場従事者から寄せられてきました。
その一方で、介護度は軽いが、専門家による訪問入浴サービスを受けたい、という家庭もあるのです。ホームヘルプサービスの介護保険報酬が時間と内容によって、かなり細かく決められたように、やはり訪問入浴サービスも多様な提供方法と金額を設定すべき気がします。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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